はじめに|「不妊は女性だけの問題」じゃない

不妊というと「女性側の問題」と思われがちですが、実際は約半数のケースで男性側にも原因があると言われています。
それでも、まだまだ男性が「自分も検査を受けるべき」と考えるのはハードルが高いのが現状。
この記事では、以下の疑問に答えていきます:
- 男性の不妊検査ってどんなことをするの?
- 精子検査って恥ずかしくない?
- クリニックに行く前に準備すべきことは?
- 実際の体験レポが読みたい!
初めての検査でも不安なく臨めるように、体験談を交えつつ具体的な流れや注意点まで詳しく解説します。
男性の不妊検査とは?|まず「精液検査」から始まる

不妊治療の第一歩は、男女どちらも基本検査を受けること。
男性側は、まず「精液検査(精子検査)」を行います。
🔍 精液検査とは?
採取した精液を顕微鏡などで分析し、以下の項目を確認します。
項目名 | チェック内容 |
---|---|
精液量 | 出た量は十分か(1.5ml以上が基準) |
精子濃度 | 精子の数(1mlあたり1500万以上が基準) |
運動率 | 動いている精子の割合(40%以上が基準) |
正常形態率 | 形が正常な精子の割合(4%以上が目安) |
📌 一度の検査で全てが分かるわけではなく、2回程度の検査を推奨されることが多いです。
精液検査の流れ|事前準備〜当日の手順まで

① 予約(電話 or Web)
男性不妊に対応している泌尿器科、レディースクリニック、不妊専門クリニックで予約を取ります。
予約時に「男性の初診で精液検査希望」と伝えるとスムーズです。
② 禁欲期間を守る(2~7日が目安)
精液検査では、採取する前に数日間の禁欲期間が求められます。
精子の質・量に大きく影響するため、次のように調整します:
- 最低2日〜最大7日間の禁欲
- 性行為や自慰は避ける
- 熱いお風呂やサウナは控える(精子の質が落ちるため)
③ 精液の採取(クリニック or 自宅)
精液はマスターベーションで採取するのが一般的です。
病院によっては自宅採取も可能ですが、その場合は以下の点に注意。
- 採取から1時間以内に提出
- 体温に近い状態で運ぶ(ポケットや保温袋など)
- 専用の採取カップに入れ、他の容器はNG
🧪 クリニックで採取する場合は、「採取室」が用意されています。
AVや雑誌が置かれていることも多く、配慮された空間です。
【体験レポ】30代男性の精液検査体験談
実際に検査を受けたAさん(34歳/会社員)の体験を紹介します。
💬 「恥ずかしい…と思ってたけど、意外と普通でした」
結婚して1年経っても子どもができず、妻と相談して初めて不妊専門クリニックを受診。
「女性ばかりで浮くかな…」と不安でしたが、男性の来院も普通にあり、拍子抜けするくらい自然な雰囲気だったそうです。
採取は院内で行い、「清潔な個室で、ロック付き。誰とも顔を合わせない動線だったので気楽でした」とのこと。
💬 検査結果が出るまで約1週間
結果は後日説明。
以下のような結果シートがもらえました:
- 精液量:1.9ml(基準値以上)
- 精子濃度:3600万/ml(良好)
- 運動率:48%(基準クリア)
- 正常形態率:3%(やや低め)
医師からは「全体的に良好だが、運動率と形態を今後もチェックしていこう」との説明があり、必要に応じて生活改善や再検査を案内されました。
精液検査の費用はいくら?保険適用になる?

2022年の不妊治療保険適用化以降、精液検査は基本的に保険診療で対応可能です。
ただし、初診料・再診料も加わるため、自己負担額は以下の通り。
費用項目 | 自費 | 保険適用(3割負担) |
---|---|---|
精液検査のみ | 約5,000〜10,000円 | 約1,000〜2,000円 |
初診料・再診料など含む | 約10,000〜15,000円 | 約3,000〜5,000円 |
💡 精密検査(ホルモン検査、遺伝子検査など)は一部自費になることもあるので、事前に確認を。
検査結果が悪かった場合、どうする?

🚩 異常値が出ても「即・不妊確定」ではない
精液検査の結果は、そのときの体調やストレス、禁欲期間などに左右されるため、
一度の数値だけで「妊娠できない」とは判断されません。
✅ 改善のためにできること
- 睡眠とストレス管理
- 禁煙・節酒
- 睾丸を温めない(膝上ノートPC・サウナNG)
- 亜鉛・マカ・L-カルニチンなどの精子サポートサプリを試す
よくある質問(Q&A)
Q1. 精液検査って本当に必要?
はい。不妊の約半分は男性にも原因があるため、女性だけが検査を受けても意味がありません。
むしろ、男性は精液検査だけで「状態の目安」がつかめるので、最初に行うのがおすすめです。
Q2. 精子の質は年齢で落ちる?
はい。30代後半から徐々に精子の運動率や形態が低下する傾向があります。
男性にも“妊孕力(にんようりょく)”の低下はあるため、年齢が高くなるほど検査の重要性が増します。
Q3. 精子検査キットで代用できる?
最近は自宅でできる郵送型の精子検査キットも登場しています(例:TENGAメンズルーペ、Seem、BIONEなど)。
ただし、簡易検査のため精度や判定項目は限られています。
正確な診断を希望する場合は、医療機関での検査が推奨です。
まとめ|男性も「妊活する」時代へ。精子検査はその第一歩
不妊治療のスタートは、男女そろっての検査から始まります。
「自分には関係ない」と思わず、未来の家族のために一歩踏み出す勇気が大切です。
✅ 本記事のポイント
- 精液検査は痛みや恥ずかしさはほとんどない
- 費用は保険適用で3,000〜5,000円程度
- 一度の結果で落ち込まず、生活習慣の見直しが大切
- 妻やパートナーと「一緒に取り組む姿勢」が何より重要